十日戎(とおかえびす、とをかえびす) 新年
【子季語】
初戎、宵戎、戎祭、残り戎、福笹、戎笹、福飴、吉兆、小判売
【関連季語】
二十日戎
【解説】
新年初の戎祭。一月十日に行われる。戎様に家内安全、商売繁盛を祈願する。兵庫県の西宮神社、大阪の今宮戎神社などが有名。
【来歴】
『毛吹草』(正保2年、1645年)に所出。【文学での言及】
【実証的見解】
恵比寿神は、もともと漁業の神。やがて福の神、商売繁盛の神として親しまれるようになった。一月九日は宵戎、十日は本戎、十一日は残り福。小ぶりの笹「福笹」に小判、米俵、鯛等の縁起物「吉兆」を結びつける。今宮戎神社境内では、「商売繁盛で笹もってこい」の景気よい掛け声の中、福笹をもとめる人々で賑わう。
【例句】
店の燈に髪焦しけり宵戎
高田蝶衣「青垣山」
十日戎浪花の春の埃かな
岡本松濱「岡本松濱句文集」
堀川の水の暗さや宵祭
青木月斗「月斗翁句抄」
大阪の遊びはじめや宵夷
長谷川櫂「蓬莱」