修二会(しゅにえ、しゆにゑ) 仲春
【子季語】
二月堂の行、お松明、修二月会、達陀の行法
【関連季語】
お水取り、若狭のお水送り
【解説】
二月から三月にかけて、二月堂を中心に東大寺で行われる行事。三月十二日夜の籠松明と、翌未明のお水取は壮観である。お水取りを過ぎれば、古都奈良は本格的な春を迎える。
【来歴】
『俳諧初学抄』(寛永18年、1641年)に所出。
【実証的見解】
修二会は、修二月会の略で、天下安寧、五穀豊穣を祈って行われる法会である。各地の寺院で営まれるが、東大寺二月堂の修二会がもっとも有名で、二月堂の修二会は、本尊の十一面観音像を拝して行われる、十一面悔過の行法である。「悔過(けか)」とは仏を拝んで罪過を懺悔する行法。二月堂の修二会は、東大寺二世実忠が天平年間(七五二年)に修したのが始まりとされる。