【解説】
その年の春、初めて咲く桜のこと。一輪二輪、枝に咲いている姿は初々しく可憐である。心待ちにしていた開花を喜ぶ気持ちが「初」という文字に現れている。
【来歴】
『毛吹草』(正保2年、1645年)に所出。
【文学での言及】
初花の散るべきものを人言の繁きによりてよどむころかも 佐伯赤麻呂『万葉集』
【例句】
初花の口びやうし聞け大句数
西鶴「大矢数」
初花に命七十五年ほど
芭蕉「江戸通り町」
初花や鞍馬のかたへ駒むかへ
麦水「葛箒」
初はなや花の辺の落葉かき
暁台「暁台句集」
袖たけの初花桜咲にけり
一茶「文化句帖」
初花を俤にして茶碗かな
長谷川櫂「初雁」