竹落葉(たけおちば) 初夏
【子季語】
笹散る、竹の葉散る
【関連季語】
竹の秋
【解説】
竹の落葉。竹は若竹の伸びるころ、新しい葉を出し、黄ばんだ古い葉を落とす。これが「竹落葉」で、掃いても掃いてもきりがないほど降ってくる。落葉というと冬の季語であるが竹落葉は夏の季語となる。
【来歴】
『俳諧線車大成』(寛政11年、1799年)に所出。
【文学での言及】
時わかぬおのが枯葉は積もれども色も変らぬ庭のくれ竹 藤原家隆『夫木和歌抄』
【科学的見解】
竹は、一般的に茎の生長直後に竹の皮(葉鞘)が抜け落ちるグループの総称であり、代表的な種としてはマダケ、ハチク、モウソウチクなどの大型のものや、カンチク、クロチク、ホテイチクなどの中型のもの、オカメザサなど小型のものまで広く有している。竹は、農業・食・園芸用など様々な形で日本人の生活の中にいかされてきた有用な植物である。(藤吉正明記)
【例句】
落る葉やあやに月洩る竹の嵯峨
都貢「幣袋」
野の宮や笹のふる葉の落る音
来之「五車反古」
雨樋を叩きて吐かす竹落葉
長谷川櫂「果実」