案山子(かがし)三秋
【子季語】
捨案山子、遠案山子、おどし
【関連季語】
鳥威し
【解説】
稻を鳥から守るため、田に立てる人形。人のかたちに似せて、藁などで作る鳥威の一種。
かっては、獣肉や魚の頭などを焼いて串にさし、田や畦に立てて雀などを追った。そこか
ら、「嗅がし」が語源とされる。
【来歴】
『俳諧初学抄』(寛永18年、1641年)に所出。
【例句】
水風呂の下や案山子の身の終
丈草「炭俵」
終つる日に影さえうすきかがしかな
白雄「白雄句集」
秋風のうごかして行案山子哉
蕪村「蕪村句集」
立ながら往生申かかしかな
北枝「草刈笛」
何某と言ひたさうなる案山子哉
智月尼「たんとうぶん柞.原」
kakasi