残暑(ざんしょ) 初秋
【子季語】
残る暑さ、秋暑し、秋暑、餞暑
【解説】
立秋を過ぎた後の暑さ。例年、八月いっぱいくらいは暑い日がつづく。いったん涼しくなった後で、暑さがぶり返すこともある。
【来歴】
『毛吹草』(正保2年、1645年)に所出。
【文学での言及】
ひとへなる蝉のは衣秋くれば今いくへをかかさねても見ん 源顕仲『永久四百年首』
穐きては風ひやかなる暮もあるにあつれしめらひむづかしのよや 源俊頼『永久四百年首』
うちよする浪より秋はたつた川さても忘れぬ柳影かな 後京極摂政『六百番歌合』
秋来てもなほ夕風を松が根に夏を忘れしかげぞたちうき 藤原定家『風雅集』
【例句】
牛部屋に蚊の声闇き残暑かな
芭蕉「三冊子」
かまきりの虚空をにらむ残暑かな
北枝「艶賀の松」
伶人のやどりにのこる暑さかな
蕪村「夜半叟句集」