待宵(まつよい、まつよひ) 仲秋
【子季語】
小望月、待宵の月、十四夜月
【関連季語】
名月、月、待宵、十六夜、立待月、居待月、臥待月、更待月、良夜
【解説】
旧暦八月十四日の夜、またはその夜の月をいう。十五夜が主ならば、その前夜の趣もまた格別のものがある。望月に満たないので小望月ともいう。
【来歴】
『山の井』(正保5年、1648年)に所出。
【例句】
月十四日今宵三十九の童部
芭蕉「真蹟短冊」
待つ宵はまだいそがしき月見かな
支考「笈日記」
待宵やくるるに早き家の奥
太祗「太祗句選後篇」
待宵や女主に女客
蕪村「夜半叟句集」
江戸川や月待宵の芒船
一茶「文政版句集」
隣へも酒のあまりや小名月
才麿「金毘羅会」
待宵を終に雨来し梢かな
大谷句仏「我は我」
竹藪の空ゆく月も十四日
松本たかし「野守」
待宵や子もひとつづつ影ひいて
高田正子 「花実」