虫(むし)三秋
【子季語】
鳴く虫、虫鳴く、虫の声、虫時雨、虫の闇、虫の秋、昼の虫、虫すだく、虫聞き
【解説】
秋に鳴く虫の総称である。その鳴き声を愛し、楽しむ。立秋の頃から鳴き始める。それを聞くと秋のおとずれをしみじみと感じる。
【例句】
行水の捨てどころなき虫の声
鬼貫「をだまき綱目」
屋根まくる野分の中や虫の声
李由「韻塞」
暮るゝ程芭蕉にひゞく虫の声
許六「韻塞」
むし啼くや河内通ひの小でうちん
蕪村「蕪村句集」
虫啼や木賊がもとの露の影
樗良「樗良発句集」
声さゆる虫は何ゝ銅だらい
白雄「白雄句集」
虫の音に浮き沈みする庵かな
高浜虚子「七百五十句」