末枯(うらがれ)晩秋
【子季語】
末枯る、草枯に花残る
【解説】
木々の枝先や葉の先の方から枯れること。「末」とは、「先端」の意。秋から冬へと季節が変わりつつあることを感じさせてくれる。
【科学的見解】
落葉樹木は、秋の深まりとともに、冬支度の一つとして葉を落とす。落葉は、葉と枝の間の部分に離層が形成されて起きる現象であるが、離層形成には気温の低下が関係している。秋の冷気が樹木の梢に降りることで、先端部分から枯れていく末枯という現象が見られるのかもしれない。(藤吉正明記)
【例句】
うらがれや馬も餅くふ宇津の山
其角「句兄弟」
うら枯やからきめ見つるうるしの木
蕪村「蕪村句集]
うら枯れていよいよ赤し烏瓜
太祇「太祇句選」
末枯れや諸勧化出さぬ小制札
一茶「七番日記」
末枯れも一番はやき庵哉
一茶「旅日記」
海へむく山末枯れをいそぎけり
如毛「犬古今」