火桶(ひおけ、ひをけ)三冬
【子季語】
桐火桶、火櫃
【解説】
円火鉢のこと。桐の木などをくり抜いて内側を真鍮などの金属板を張ったもの。炭火を入れて暖を取る。彩色をほどこしてあったりもする。平安時代以降用いられたもので枕草子にある。
【例句】
細工絵を親に見せたる火桶かな
来山「太胡盧可佐」
霜の後撫子さける火桶哉
芭蕉「勧進牒」
草の屋の行灯もとぼす火桶かな
太祗「太祗句選」
桐火桶無絃の琴の撫でごころ
蕪村「雁風呂」
侘びしらに火桶張らうよ短冊で
蕪村「落日庵日記 」
老いの手のわななきかざす火桶かな
松本たかし「松本たかし句集」