枯木(かれき)三冬
【子季語】
枯枝、枯木立、枯木宿、枯木星、枯木道
【解説】
落葉樹が冬になって、すべての棄を落とした状態になること。枯れたように見えることから枯木というが、立ち枯れの木のことではない。
【例句】
其のかたち見ばや枯木の杖の長
芭蕉「小文庫」
花みなかれてあはれをこぼすくさのたね
芭蕉「栞集」
風渡る枯木も悲し泣くたより
北枝「霜の光」
家遠し枯木のもとのタけぶり
召浪「春泥発句集」
くりくりと立派に枯れし堅木かな
一茶「九番目記」
月一つあるも怪しき枯木かな
河東碧梧桐「続春夏秋冬」
枯るるほど鵜の来てねるや松の色
凡兆「柞原」
枯れゆけばおのれ光りぬ枯木みな
加藤楸邨「起伏」
父母の亡き裏口開いて枯木山
飯田龍太「忘音」
鵜の揺らし鵜の揺れてゐる枯木かな
長谷川櫂「古志」