雪女郎(ゆきじょろう、ゆきぢよろう)晩冬
【子季語】
雪女、雪坊主、雪の精
【解説】
雪国の伝説にある雪女、雪の精のこと。幾月も雪にとざされる豪雪地方では、迫りくる闇、吹雪の夜の風の音など、いろいろな自然現象がときに幻想となって現れたりする。雪夜に人を惑わすというその美しさ、恐ろしさが今も語り継がれている。
【例句】
あらはれて見えよ芭蕉の雪女
三圃「そらつぶて」
かかる夜の檐にや忍ぶ雪女郎
臼田亜浪「定本亜浪句集」
雪女郎おそろし父の恋恐ろし
中村草田男「火の島」
すいときて眉のなかりし雪女郎
森澄雄「游方」
雪女郎雪間の水の音となり
長谷川櫂「古志」