鉢叩(はちたたき)仲冬
【子季語】
空也念仏、空也和讃
【解説】
十一月十三日の空也忌から大晦日までの四十八日間、空也堂の僧が洛中洛外を巡り歩いた空也念仏のこと。瓢、鉢、鉦を叩き鳴らし、和讃や念仏を唱えた。
【例句】
われが手で我が顔なづる鉢たたき
鬼貫「仏の兄」
長嘯の墓もめぐるか鉢たたき
芭蕉「いつを昔」
裏門の竹にひびくや鉢たたき
丈草「泊舟集」
山彦をつけてありくや鉢たたき
千代女「千代尼句集」
京中にこの寂しさや鉢叩き
蝶夢「草根発句集」
ゆふがほのそれは髑髏か鉢たたき
蕪村「其雪影」
墨染の夜のにしきや鉢たたき
蕪村「夜半叟句集」
鉢叩き月下の門をよぎりけり
闌更「半化坊発句集」
川ぞひや木履はきたる鉢叩き
白雄「白雄句集」