吊忍(つりしのぶ)三夏 季語と歳時記 【子季語】 釣忍、軒忍 【解説】 忍はウラボシ科の羊歯植物である。緑が美しく涼しげである。根茎を丸くたばね水苔でおおう。これをしのぶ玉という。風鈴を下げて軒下に吊るし水をやり涼しさを楽しむのである。夏の風物詩として江戸中期より親しまれてきた。 【例句】 忍ぶ鈴軒に寄り添ふ女かな 闌更「半化坊発句集」 人知れず暮るる軒端の釣忍 日野草城「花氷」 仰ぎゐるわれも暮れゐる釣忍 森澄雄「天日」 市なかに深山はあり吊忍 長谷川櫂「蓬莱」