狗尾草(えのころぐさ、ゑのころぐさ)三秋
【子季語】
ねこじやらし、ゑのこ草、犬子草
【解説】
イネ科の多年草。全国どこにでもみられるイネ科の植物で、細い 茎の先端につく長い毛のあるふさふさとした穂が、小犬の尾のよ うだというので名がついた。ねこじゃらしともいう。晩秋になる と葉も紅葉して美しい。
【科学的見解】
エノコログサは、日本全土の日当たりの良い畑地や荒地に多く、世界の温帯域に広く分布するイネ科の一年草である。小穂は卵形で、花序は円柱状になるのが特徴である。本種に似た植物としては、海岸近くに生えて草丈の低いハマエノコロや本種より草丈が高く開花期が遅いアキノエノコログサ、芒が黄金色を帯びるキンエノコロなどが存在する。本種の近縁な穀物としては、アワが知られている。(藤吉正明記)
よい秋や犬ころ草もころころと
一茶「八番日記」
犬の塚狗子草など生えぬべし
正岡子規「季語別子規俳句集」