巣立鳥(すだちどり)初夏
【子季語】
巣立、親鳥、子鳥、鳥巣立つ
【解説】
春、巣の中で孵った雛鳥が飛べるまでに成長し、初夏の頃に次々に巣から離れていくこと。
【科学的見解】
巣立鳥とは、巣から離れていく幼鳥を示す言葉であるが、営巣時期が天敵に襲われやすい時期でもあるため、親鳥は早めに巣立ちを促す場合が多い。そのため、巣立ちの時期においては、多くの種で雛がまだ完全に飛べない時期に巣を離れることが多く、巣を離れて飛ぶ練習をしながら飛翔力を高めていく。その時期の鳥は、巣立雛とも呼ばれる。巣立雛は、巣から離れても、親鳥に見守られ、餌ももらいながら成長していく。巣立雛は羽が完全に整っていないため弱々しく見え、また上手に飛べないことから、誤って巣から落ちたと人に勘違いされる場合がある。そのような雛鳥を見かけた場合は、保護することはせずにそのままにしておくのが良い。(藤吉正明記)
【例句】
其夜から雨に逢ひけり巣立鳥
一茶「文化句帖」