下り簗(くだりやな)仲秋 季語と歳時記 【解説】 秋、産卵を終えて川を下る魚を獲る仕掛け。石などを積み川幅を 狭めて流れを導いたところに、簀の子状の台を設置する。そこに 掛かった「落鮎」「落鰻」「落鮒」などを捕獲する。吹き渡る秋 風や、爽やかな川音が聞こえてくる言葉。 【例句】 ものの葉に魚のまとふや下り簗 太祇「太祇句選」 行く秋の所々や下り簗 蕪村「落日庵句集」 またしても狐見舞ひぬ下り簗 召波「春泥発句集」 山河こゝに集り来り下り簗 高浜虚子「五百五十句」