山椒魚(さんしょううお、さんせううを)三夏
【子季語】
はんざき、箱根山椒魚、富士山椒魚
【解説】
淡水に棲むサンショウウオ科オオサンショウウオ科の両生類の総 称。「ウオ」といっても魚類ではない。体臭がサンショウに似て いるため、その名がつけられた。山間の渓流や湧水中に生息し小 魚、カニ、カエルなどを捕食する。
【科学的見解】
山椒魚は、両生類(有尾目)に分類され、同じ両生類のカエル類(無尾目)とは成体になっても尾を有するところが決定的な違いになってる。日本のサンショウウオ類は、世界最大のオオサンショウウオが属しているオオサンショウウオ科と全長十五センチメートル程の小型のハコネサンショウウオやカスミサンショウウオ、トウキョウサンショウウオ、クロサンショウウオ等が属しているサンショウウオ科の二科で構成されており、両者合わせて二十種以上確認されている。近年、外見上では区別がつかず、今まで同一種と思われてきた隠ぺい種の存在が遺伝子分析等の分子生物学的手法により明らかになり、二〇〇〇年以降でも九種が新種として確認されている。これら隠ぺい種の存在が指摘されている種もまだ存在しているため、日本のサンショウウオ類の種数は今後増えていくことが予想されている。サンショウウオ類の多くは夜行性であり、地面付近にいる小型の昆虫やミミズ等を主食とし、昼間は森林内の落ち葉や岩下等に隠れて生活をしている。魚類やエビ・カニ類を主食としているオオサンショウウオはほとんど水中生活をしているが、その他の種の多くは湿った森林内での生活が長く、一般的に水中に入るのは繁殖のときだけである。繁殖期は、一月から三月までの早春と五月から八月までの夏、十一月から十二月の秋等、種によって時期が異なる。産卵は流れのある流水域や溜水等の止水域に卵が複数入った卵のうを産み付け、その形状はヒモ状、ヤマブドウ状、バナナ状、コイル状、アケビ状等多様である。卵から生まれた幼生は、体外に突き出た鰓と四肢を有しており、幼生期間は半年から三年程度である。多くの種の場合、変態後は陸上生活へと変化していく。(藤吉正明記)
