木蓮(もくれん)仲春
【子季語】
木蘭、もくれんげ、紫木蓮、白木蓮、はくれん
【解説】
モクレン科の落葉高木。春、葉に先立って花をつける。白炎のような花を咲かせる白木蓮と、外側が紫、内側が白色の紫木蓮があり、紫木蓮の方が開花時期が少し遅い。
【科学的見解】
木蓮は、それら仲間の総称として呼ばれる場合もあるが、生物種としてのモクレンは、紫色の花弁を有する紫木蓮(別名:シモクレン)をさす。ハクモクレンとは、分類学上で区別されている。その他木蓮の仲間としては、ホオノキ、シデコブシ、タムシバ、タイサンボク、オオヤマレンゲなどが存在し、被子植物誕生の歴史の中で早くから出現した太古の植物でもある。(藤吉正明記)
此門の勅額古し木蓮花
内藤鳴雪「鳴雪句集」
はくれむや起ち居のかろき朝来たり
臼田亜浪「定本亜浪句集」
はくれむに夕日の金の滴れり
臼田亜浪「定本亜浪句集」
木蓮の花びら風に折れてあり
松本たかし「たかし句集」
木蓮の落ちくだけあり寂光土
川端茅舎「定本川端茅舎句集」
木蓮の軒くらきまで咲にけり
原石鼎「原石鼎全集」