涼風(すずかぜ)晩夏
【子季語】
風涼し
【解説】
夏の終わり頃に吹く涼しい風のこと。 晩夏になると夏型の気圧配置がくずれて、暑い風とは異なった風が吹く。肌に涼気を感じる風である。
【例句】
涼風やほの三日月の羽黒山
芭蕉「奥の細道」
涼風や虚空にみちて松の声
鬼貫「鬼貫句選」
涼風に消ゆる小雲の宿りかな
丈草「龍ヶ岡」
涼風や峠に足をふみかける
許六「韻塞」
涼風を青田におろす伊吹かな
支考「笈日記」
涼風や我にふるるも惜しまるる
樗良「仏の座」
涼風や寄る辺もとむる蔓のさま
臼田亜浪「亜浪句集」
涼風の一塊として男来る
飯田龍太「遅速」