鼬(いたち)三冬
【解説】
ネコ目イタチ科の哺乳類の総称。雄は体調三十センチ雌はこれより小さい。赤褐色で夜、小動物を捕食する。
イタチは、ネコ目(食肉目)イタチ科の哺乳類で、自然分布としては東北から九州までの範囲とされているが、人の影響により北海道や沖縄などに放された個体が定着している。本種は、ニホンイタチと呼ばれることもある。
生息環境としては、人里近くの低地から山地までの河川や水田などの水辺を好んで生活している。本種は、基本的に夜行性であるが、昼間に活動することも知られており、水辺の小型動物や木の実・果実などを採食する。糞は、直径六ミリメートル、長さ三センチメートルほどの細長い形をしており、河川の石の上や水田付近のコンクリート上で見られることが多い。
本種の近縁亜種としては、コイタチが鹿児島県屋久島のみに生息している。また、本種とは別種のチョウセンイタチ(シベリアイタチ)が大陸を中心に生息しており、日本国内での自然分布は長崎県対馬のみとされている。しかしながら、チョウセンイタチが人為的な影響で移入され、近年西日本全域に分布を拡大している。同じく自然分布以外から人為的に導入された外来種としては、ミンクが知られており、北海道や東北数県で野生化が報告されている。その他、本種と近縁な在来種としては、東日本の山地や高山に生息するオコジョやイイズナが存在する。(藤吉正明記)