牛蛙(うしがえる、うしがへる)仲夏
【子季語】
うしかはず
【解説】
北米原産。体長十一から十八センチほど。全国の水草の茂る流れの緩やかな河川、池沼、湖、湿地などに生息。牛のような、非常に大きな声で鳴く。それが和名の由来。食用にもなり、食用蛙ともよばれる。
【科学的見解】
牛蛙は、アカガエル科に属するアメリカ東部原産の両生類で、大正時代に輸入された個体が関東から全国的に広がり、現在では北海道南部から沖縄にかけて広範囲で繁殖・定着している。本種は、都市部のヨシやガマ等の大型高茎草本植物が茂った止水域の池等や流れの緩やかな河川下流域に生息している。標準和名としては、ウシガエルと呼ばれているが、食用としても有名であり、戦前養殖された個体が冷凍食用肉として輸出されていたとのことである。そのため、別名としてショクヨウガエルとも呼ばれている。繁殖時期は五月から九月までであり、水面に数千から数万個の卵をシート状に産卵し、生まれた幼生はほとんどが越冬して、十センチメートル以上に成長してから変態し、その後上陸する。鳴き声は、ブウオーン・ブウオーン・ブウオーンと低い声で連続的にゆっくりと鳴く。成体は、小型のカエルやアメリカザリガニ、昆虫類等、様々なものを捕食する。本種は、オオヒキガエル同様に、在来種に対する悪影響が懸念されているため、環境省により特定外来生物に指定されている。(藤吉正明記)
【例句】
飛騨の夜を大きくしたる牛蛙
森澄雄「鯉素」
よき声に水ふるはせて牛蛙
長谷川櫂「初雁」
