白鳥(はくちょう、はくてう)晩冬
【子季語】
スワン、鵠、黒鳥、白鳥来る、大白鳥
【解説】
カモ科の水鳥。鳥の中では大型で全身白い。冬、北から日本へ来て越冬する。
【科学的見解】
日本に冬鳥として渡来するカモ科のハクチョウ類は、コハクチョウとオオハクチョウが知られている。オオハクチョウの方がやや体長が大きくなるが、遠くからの観察では大きさだけでは区別が難しい。識別としては、コハクチョウの嘴基部の黄色の部分先端が丸い形をしているのに対し、オオハクチョウはその黄色い部分の先端の形が尖っているところが特徴である。両種ともに池や湖沼、河川等の水辺環境に生息し、基本的に草食性で、水草の葉や茎、種子や果実等を採食する。近縁種としては、上嘴の基部にこぶ状の突起が見られるコブハクチョウが知られており、飼育個体が野生化したものが特に観光地の湖沼等で稀に見られる。(藤吉正明記)
【例句】
白鳥といふ一巨花を水に置く
中村草田男「来し方行方」
白鳥の花のやうなる浮寝かな
長谷川櫂「初雁」