雪解(ゆきどけ) 仲春
【子季語】
雪解水、雪解川、雪解風、雪解雫、雪解野
【関連季語】
雪しろ
【解説】
春になって雪が解けること。春の日差しや春の雨も雪を解かすが、北風にかわって吹く東からの風は雪解をさらにうながす。
【来歴】
『増山の井』(寛文7年、1667年)に所出。
【文学での言及】
君がため山田の沢に恵具つむと雪解の水に裳の裾濡れぬ よみ人知らず『万葉集』
【例句】
雪どけの音聞て居る朝寝哉
几董「晋明集二稿」
白雲や雪解の沢へうつる空
太祇「太祇句選後篇」
雪どけや深山ぐもりを啼からす
暁台「骨書」
雪解や妹が炬燵に足袋かたし
蕪村「蕪村遺稿」
雪とけてみどりの色や圃土
青蘿「青蘿発句集」
雪とけて村一ぱいの子ども哉
一茶「七番日記」
雪解けや竹はね返る日の表
正岡子規「子規句集」
雪解川名山けづる響かな
前田普羅「普羅句集」
目ひらけば母胎はみどり雪解谿
加藤楸邨「望岳」
村ぢゆうの畦あらはるる雪解かな
長谷川櫂「虚空」