雪崩(なだれ) 仲春
【子季語】
雪なだれ、雪くずれ、なだれ雪、底雪崩、風雪崩
【解説】
春、山の斜面などに積もった雪が滑り落ちることをいう。雪積の始めや、積雪が緩んだとき、雨が降った後などに多い。人や家を呑みこむこともある。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【実証的見解】
雪崩の種類は、発生の形、雪質、滑り面の位置などによって異なる。点発生は一点からくさび状に動き出すもの、それに対して面発生は広い面積にわたっていっせいに動き出す雪崩である。水分を含まない雪の雪崩は乾雪雪崩、水分の多い雪の雪崩は湿雪雪崩、また、根雪の上に新たに積もった雪がなだれる表層雪崩、根雪そのものがなだれる全層雪崩などに分類される。
【例句】
国二つ呼びかひ落す雪崩かな
前田普羅「定本普羅句集」
青天や夜に入りつつも雪なだれ
原石鼎「原石鼎全句集」