杉の花(すぎのはな) 晩春
【子季語】
杉の花粉/花粉症
【解説】
スギ科の常緑針葉樹で日本特産。雌雄同株。雄花は米粒よりやや大きめで葉先に群生し、黄色い花粉を大量に飛散させる。スギの花粉は花粉症を引き起こし、春、多くの人を悩ませる。雌花は緑色で目立たない。
【科学的見解】
杉(スギ)は、本州から九州(屋久島)の主に太平洋側に多く分布しており、また住宅建材の重要な樹種であるため、広く人工的に植林が進められている。スギは、日本の樹木の中でクスノキについで大木になることが知られており、各地の神社などに植栽され、巨樹として指定されているものも多い。針葉樹は、主に風を利用して花粉を飛散させ、受粉を行っているため、春に大量の花粉撒き散らす。(藤吉正明記)
【例句】
一すぢの春の日さしぬ杉の花
前田普羅「普羅句集」
つくばぴにこぼれ泛めり杉の花
松本たかし「松本たかし句集」