いぬふぐり 初春
【子季語】
ひょうたんぐさ/いぬのふぐり/おおいぬのふぐり
【解説】
ゴマノハグサ科の二年草。早春の道の辺や草原に生える。空色の可憐な小さい花をつけ、踏まれてもたくましくはびこりる。名前は実の形から来ている。
【科学的見解】
身近に生育するいののふぐりの仲間は、数種類存在し、外来のものとしては、オオイヌノフグリやタチイヌノフグリなどが知られている。都市部や住宅地、集落周辺の田畑などで一般的に見られるいぬのふぐりは、ほとんどがこれらに該当する。一方、在来のものとしては、イヌノフグリという種が存在し、本州から沖縄にかけて広く分布しているようである。しかし、イヌノフグリは近年個体数が急激に減少し、見ることができなくなったため、絶滅危惧種に指定されている。(藤吉正明記)
【例句】
午過の花閉ぢかかる犬ふぐり
松本たかし「松本たかし句集」