雀の子(すずめのこ) 晩春
【子季語】
黄雀/子雀/雀の雛/親雀/春の雀/雀子
【解説】
雀は人の住むところにはどこにでも住み、人家の軒や屋根などに藁で巣をつくる。春には卵がかえり雛になる。まだよちよち歩きの雛は親に見守られて遊ぶ。
【例句】
人に逃げ人になるるや雀の子
鬼貫「大悟物狂」
雀子と声鳴きかはす鼠の巣
芭蕉「韻塞」
雀子や綱にとりつく岸の草
祗空「安達太郎根」
すずめ子や書写の机のほとり迄
召波「春泥句集」
大仏の鼻で鳴くなり雀の子
一茶「七番日記」
雀の子そこのけそこのけ御馬が通る
一茶「八番日記」
雀子や走りなれたる鬼瓦
内藤鳴雪「新俳句」
子雀や遠く遊ばぬ庭の隅
尾崎紅葉「紅葉句帳」