駒草(こまくさ) 晩夏
【解説】
ケシ科の多年草で本州中部以北に自生する高山植物。砂地に生え、他の草と混生しない。高さは十センチ程度、人参に似た葉の間から茎を伸ばし、先端に五~六個袋状の淡紅色の花を咲かせる。花を横から見ると馬の顔に似ているところから、この名がある。
【科学的見解】
コマクサは、北海道から本州中北部の高山に生育する多年草である。本種は、砂礫土壌の不安定な場所を生育地としている。国外での分布は、樺太やシベリア東部の寒地に限定され、やはり高山周辺の砂や礫移動の激しい不安定帯に分布している。(藤吉正明記)