蓼(たで) 三夏
【子季語】
本たで/真たで/柳蓼/川蓼/水蓼/糸蓼/葉蓼/紅蓼/蓼摘む/蓼酢
【解説】
タデ科の一年草。葉をすりつぶし、酢とだしでのばした蓼酢は、鮎料理に使われ、夏の味覚。「蓼食う虫も好き好き」の諺にもなり、特有の香りと強い辛みがある。
【科学的見解】
蓼は、タデ科イヌタデ属植物の総称であるが、昔から食用として活用されてきた蓼は、ヤナギタデである。別名マタデとも呼ばれている。ヤナギタデは、日本全土の水湿地を好んで生育している。いくつかの栽培品種が知られている。(藤吉正明記)
【例句】
人妻の暁起きや蓼の雨
蕪村「落日庵句集」
しののめや雲見えなくに蓼の雨
蕪村「蕪村句集」
砂川や或は蓼を流れ越す
蕪村「落日庵句集」
刈りかけて去る村童や蓼の雨
杉田久女「杉田久女句集」