賀茂の競馬(かものけいば) 初夏
【子季語】
競べ馬/きそひ馬/空走り/勝馬/負馬/足揃
【解説】
京都の上賀茂神社で五月五日に行われる。もとは陰暦五月五日に、天下太平や五穀豊穣祈願のために行われた。騎手は冠をかぶり、袴の腰に菖蒲を挿し、古式ゆかしい競技である。
【例句】
今日やまづ道理を責むる足揃
重頼「名取川」
落ちたがることに見立つや足揃へ
嵐雪「杜撰集」
競べ馬顔見えぬまで誉めにけり
太祇「太祇句選」
埒明けて目の塵払ふ競馬かな
暁台「暁台句集」
君が代鉾たてかざるくらべ馬
樗良「樗良発句集」
翠簾越しの誰に落ちけんくらべ馬
蓼太「蓼太句集初編」
我恋ふる月毛のきみや競馬
素丸「素丸発句集」
四囲の山あをあをとある競馬かな
鈴木花蓑「鈴木花蓑句集」