烏瓜の花(からすうりのはな) 晩夏
【解説】
ウリ科の蔓性多年草。七・八月頃白い花を開く。花弁の先が五裂し、さらに糸状に裂けてレースを拡げたようにみえる。夕刻に開き、朝にしぼむ。かすかにウリのさわやかな香りがする。
【科学的見解】
カラスウリは本州東北地方南部から九州に分布するつる性の多年草である。日当たりのよい林縁部に生育し、縁がレース状に細かく裂けた白色の花を夕方から咲かせる。果実は赤く熟す。種子はその形を結び文に見立てて、玉章(たまずさ)とも呼ばれている。種子繁殖のほか、塊茎も形成する。田畑近くの林縁などに絡み付いて生育している。日が落ちて開花することから、受粉は夜行性の蛾などに依存している。(藤吉正明記)
【例句】
人の手はたしなし花のからす瓜
ますほ「発句題叢」