齊打つ(なずなうつ/なづなうつ) 新年
【子季語】
齊打/七草打/七草たたく/七草はやす/若菜はやす/齊はやす/齊の拍子
【解説】
七草の粥に入れる齊をまな板にのせ、包丁の背やすりこ木で叩き大きな音を響かせる。地方によっては齊に限らず、タラの芽や串柿などを入れることもある。
【例句】
四方に打つ齊もしどろもどろかな
芭蕉「続深川」
一きほい六日の晩や打齊
許六「五老文集」
かたがりてたたくやうなる齊かな
北枝「草庵集」
深川の畠でたたく齊かな
桃隣「古太白堂句選」
暁を万戸に伝ふ齊かな
几董「晋明集二稿」
まな板にうすくまかるる齊かな
青羅「青羅発句集」
とだえては船に聞こゆるなづなかな
大江丸「俳懺悔」
あの藪に人の住めばぞ齊打つ
一茶「文化句帖」
俎板に齊のあとの匂ひかな
内藤鳴雪「筑摩文学全集」