通草の花(あけびのはな) 晩春
【子季語】
木通の花/山女の花/山姫の花/あけびかづら/三葉通草/丁翁の花
【解説】
山地に自生する蔓性植物。雌雄同株で若葉の脇に薄紫の雄花と雌花が房のように咲く。目立たないが心ひかれる花である。
【科学的見解】
アケビは、アケビ科の木性つる植物で、本州から九州までの丘陵地から山地の林縁に生育している。花は、単性花で雄花と雌花に分かれ、花序の先端が雄花で、付け根が雌花になっている。近縁種としては、小葉五枚のアケビと小葉三枚で縁に鋸歯があるミツバアケビ、これら二種の雑種であるゴヨウアケビが存在する。(藤吉正明記)
【例句】
負ふた子や通草の花に手をのべる
松瀬青々「妻木」
乱鶯に山藤が散る通草が散る
松本たかし「石魂」