【解説】
本州の中部以南に自生する常緑低木で、高さは一~三メートル。庭木として多くの園芸種がある。六月~七月、枝先に香りのいい白色の六弁花を咲かせ、夜にはさらに香りたつ。果実が熟しても口を開かないことから、「口無し」の名がついたともいわれる。
【例句】
口なしの花さくかたや日にうとき
蕪村「新花摘」
山梔子や築地の崩れ咲きかくし
麦水「葛箒」
口なしの淋しう咲けり水のうへ
青蘿「青蘿発句集」
薄月夜花くちなしの匂ひけり
正岡子規「季語別子規俳句集」
今朝咲きしくちなしの又白きこと
星野立子「立子句集」