桜狩(さくらがり) 晩春
【子季語】
桜見/観桜
【解説】
花に誘われて、野や山に桜を訪ね歩いて愛でること。花見のことではあるが、より花を求めて逍遥するおもむき。豪華な花見弁当よりも素朴な飯が、筵を広げるよりも山路を行く杖が似合いそう である。
【例句】
桜狩奇特や日々に五里六里
芭蕉「笈の小文」
似あはしや豆の粉めしにさくら狩り
芭蕉「蕉翁全伝」
さくら狩り美人の腹や減却す
蕪村「蕪村句集」
桜狩りけふは目黒のしるべせよ
其角「五元拾遺」
杖わつて暮れなば焼かん桜狩り
如水「俳諧古選」