桑(くわ、くは) 仲春
【子季語】
桑の芽、芽桑、山桑、桑畑
【関連季語】
蚕、夏桑、桑の実
【解説】
蚕の餌となる桑は春、新芽を出し早々と葉を茂らせる。養蚕農家は、これから秋の終りまで桑を摘み取るために忙しい日々を送る。
【科学的見解】
桑は、クワ科クワ属の落葉高木の総称であり、在来のヤマグワと外来のマグワに分かれる。蚕の飼育に活用されている桑は、主にマグワであり、国内外で多数の品種が作出されている。両種とも高さは十メートルから十五メートルにもなる。葉は互生し、長さ十センチほどの卵形でふちにぎざぎざを持つ。雌雄異株で開花は四月ころ、六月ころに赤から黒くなる果実を実らせる。果実は、食用になり、生食のほかジャムなどに加工されている。(藤吉正明記)
【例句】
千曲川心あてなる桑のみち
鈴木花蓑「鈴木花蓑句集」
納屋の窓やすみの牛に桑の雨
長谷川素逝「ふるさと」