虎杖(いたどり) 仲春
【子季語】
さいたづま/みやまいたどり
【解説】
タデ科の多年草。山野に群生する。春先、赤味を帯びた新芽が出て節のある太い茎が一メートル程に直立し目立つ。茎には暗紅色の斑点があり、手折るとポキッと折れる。中は空洞で柔らかく食用になる。茎は成長するにつれ木質化する。夏に白い小さな花を沢山つける。
【科学的見解】
虎杖(イタドリ)は、北海道から九州及び奄美諸島に分布し、雄株と雌株に別れて(雌雄異株)生育している。イタドリは、品種や変種など複数に分かれており、赤い実がなるのをベニイタドリ、高山帯の丈の低いものをオノエイタドリ、茎や葉に毛が多いものをケイタドリと呼ぶ。また別種として、草丈がイタドリの二倍ほどに成長するオオイタドリが存在し、北海道から本州中部の冷涼な地域で生育している。(藤吉正明記)
【例句】
虎杖や到来過ぎて餅につく
一茶「九番日記」