三茱臾の花(さんしゅゆのはな) 初春
【子季語】
春黄金花
【解説】
ミズキ科の落葉樹で中国、朝鮮原産。三~四月頃葉の出る前に細かな枝の節々から黄色い四弁の小花が球状に群がり咲く。大木になると木全体に黄色の霞がかかったように見える。江戸時代薬用 として朝鮮から渡来した。
【科学的見解】
サンシュユは、ミズキ科の落葉小高木であり、江戸中期に薬用目的に導入された外来植物である。そのため野生分布はほぼなく、庭木や公園木として植栽されている。春、短枝の先に散形花序をつけ、基部に四枚の総苞片をもつ。果実(液果)は秋に実り、乾燥させたものは山茱臾と呼ばれ、漢方薬として利用されている。(藤吉正明記)
【例句】
さんしゆゆの離のこまかさ相ふれず
長谷川素逝「暦日」