【解説】
遊郭吉原の夜桜見物のこと。その日のためにわざわざ見ごろとなる桜を植え、終われば抜いて、明年、新に植えるという手の込んだものであったいう。
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花盗人(はなぬすびと) 晩春
【解説】
桜の美しさに引かれてその枝を折り盗むこと。狂言の演目などにこの題名が見られる。風流な盗人である。
【例句】
問ひたきは花盗人のこゝろかな
士朗「枇杷園句集」
花の鈴(はなのすず) 晩春
【解説】
護花鈴鳥を追うため、桜の枝にとりつけた鈴のことをいう。牡丹に鈴をつけて鳥を追ったという、唐の故事に由来する。
【例句】
花の鈴稀に音しぬ太政官
松瀬青々「妻木」
花車(はなぐるま) 晩春
【子季語】
花見車
【解説】
花、とくに桜を飾りつけた車のこと。花見車は、花見のため花のあるところへ乗ってゆく車。
花の宿(はなのやど) 晩春
【子季語】
花の窓/花の扉/花の戸
【解説】
花の咲き盛る家屋敷のこと。花の咲いているころに泊まる旅籠のことではない。
【例句】
花を宿に始め終りや廿日ほど
芭蕉「初蝉」
花の宿月には暗き住ひかな
麦吾「俳句題叢」
花の都(はなのみやこ) 晩春
【子季語】
花洛
【解説】
都の栄華繁栄を褒め称える言葉で、都の華美なるをいう。東京はもちろんのこと、京都や奈良にもそうした風情がある。
【例句】
地主からは木の間の花の都かな
季吟「花千句」
傘さして駕舁く花の都かな
蓼太「発句類聚」
花の宴(はなのえん) 晩春
【解説】
花の踊桜をめでる酒宴のこと。もともとは宮廷行事で、「文人に命じて詩を賦し禄を賜ふ」『俳諧歳時記栞草』という記述もある。
花軍(はないくさ) 晩春
【子季語】
花合/花くらべ
【解説】
二組に別れ、花をつけた桜の枝をもって打ち合うことをいう。玄宗と楊貴妃が、二組に分かれて花で打ち合ったという唐の故事が由来とされる。
春鮒釣(はるぶなつり) 仲春
【解説】
春の鮒を釣ること。春になって水が温かくなると、産卵のため鮒の動きも活発になり、針にかかりやすくなる。
小弓引(こゆみひき) 晩春
【子季語】
雀小弓
【解説】
小さな弓を射って遊ぶこと。うららかな日の遊びということで春の季語になる。源氏物語にも記述が見える、古い遊戯である。
