【子季語】
肌寒し、はた寒
【解説】
秋半ばから晩秋にかけて肌に直接感ずる寒さ。夜はもとより、雨の日など、昼間でも寒さを感じることが多くなり、秋が深まってゆく。
【例句】
湯の名残今宵は肌の寒からむ
芭蕉「柞原」
肌寒き始めにあかし蕎麦の茎
惟然「続猿蓑」
肌寒し竹切る山の薄紅葉
凡兆「猿蓑」
影見えて肌寒き夜の柱かな
暁台「暁台句集」
【子季語】
肌寒し、はた寒
【解説】
秋半ばから晩秋にかけて肌に直接感ずる寒さ。夜はもとより、雨の日など、昼間でも寒さを感じることが多くなり、秋が深まってゆく。
【例句】
湯の名残今宵は肌の寒からむ
芭蕉「柞原」
肌寒き始めにあかし蕎麦の茎
惟然「続猿蓑」
肌寒し竹切る山の薄紅葉
凡兆「猿蓑」
影見えて肌寒き夜の柱かな
暁台「暁台句集」
【子季語】
すずろ寒、そぞろに寒し
【解説】
冷やかよりやや強く感ずる寒さ。「そぞろ」は「何となく」「わけもなく」の意味があり、体で感じる寒さというより、季節が移ろっていくさまを心に受け止め感ずる寒さ。
【解説】
一年のはじめの月。寒さがもっとも厳しくなる。新年なので各地ではなやかな行事が行われる。
一月の川一月の谷の中
飯田龍太「春の道」
【子季語】
鵙の早贄、鵙の贄刺、鵙の草茎、鵙の磔刑餌
【解説】
鵙は昆虫や蛙、蛇、鼠などを捕らえると、それをとがった木の枝や有刺鉄線などに刺し蓄えたりする。これを鵙の贄と呼ぶ。
【科学的見解】
モズは、モズ科の野鳥で、本州から九州までの地域では留鳥、北海道では夏鳥、南西諸島では冬鳥として生息している。生息環境は、人里周辺の農耕地や河川、高原の林縁等低木が生育する開けた環境を好む。繁殖期は、二月から七月までで、年に一回もしくは二回繁殖する。食性は肉食性であり、昆虫やミミズ、両生類、爬虫類等の小動物を捕食する。秋から春にかけては、人里周辺の農耕地や河川等に単独ですみ、縄張り主張のための高鳴きを行う。また、秋から冬には、捕らえた獲物を有刺鉄線や尖った小枝等に串刺しにして貯食しておく、早贄(はやにえ)の習性がみられる。近縁の種としては、日本に夏鳥として渡来するアカモズが知られている。アカモズもモズ同様に早贄の習性を持つとのことである。(藤吉正明記)
【例句】
やき芋や鵙の草茎月なき里
言水「金剛砂」
草茎に鵙の心はしられけり
野坡「菊の道」
草茎を失ふ百舌鳥の高音かな
蕪村「新五子稿」
日のさして鵙の贄見の葉裏かな
蘭更「半化坊発句集」
大空のしぐれ匂ふや百舌の贄
渡辺水巴「水巴句集」
【子季語】
寒泉、冬泉
【解説】
冬の泉には独特の寂しさがある。又澄んだ水が湧き出ている様は夏の泉にはない、さえざえとしたものが感じられる。
【子季語】
春星、星朧
【解説】
春の宵に、潤むように見える星。夏星の熱っぽさとも冬星の鋭さとも異なり、暖かさを感じさせる。
【例句】
春星や女性浅間は夜も寝ねず
前田普羅「春寒浅間山」
乗鞍のかなた春星かぎりなし
前田普羅「飛騨紬」
鵯去つて枝にほのめく春の星
原石鼎「原石鼎全集」
牧の牛濡れて春星満つるかな
加藤楸邨「雪後の天」
【子季語】
鼻水、みずつぱな
【解説】
冬の寒い時、風邪を引いていなくても、鼻の粘膜が刺激されて水のような鼻汁が出る。これが水洟である。
【例句】
水洟や鼻の先だけ暮れ残る
芥川龍之介「澄江堂句集」
水洟を貧乏神に見られけり
松本たかし「松本たかし句集」
【子季語】
寒がはり
【解説】
二十四節気の一つ。陽暦の一月二十一日ごろにあたり、このころから立春までの間が、一年のうちで最も寒さが厳しい。
【例句】
大寒の大々とした月よかな
一茶「七番日記」
大寒やあぶりて食ふ酒の粕
村上鬼城「定本鬼城句集」
大寒や下仁田の里の根深汁
村上鬼城「定本鬼城句集」
大寒や水あげて澄む莖の桶
村上鬼城「定本鬼城句集」
大寒の埃の如く人死ぬる
高浜虚子「五百五十句」
薬のんで大寒の障子を見てゐる
臼田亜浪「定本亜浪句集」
霜とけて大寒こゝに終りけり
原石鼎「原石鼎全句集」
大寒やしづかにけむる茶碗蒸
日野草城「青芝」
大寒の残る夕日を市の中
石橋秀野「桜濃く」
大寒の一戸もかくれなき故郷
飯田龍太「童眸」
大寒の天の一角昏れあます
高田正子「玩具」
【子季語】
踏俵
【解説】
雪の深い地方では、雪沓などで新雪を踏み固めて歩きやすいようにする。道の確保は生活、交通のため欠かせない。
【子季語】
注連綯ふ
【解説】
新藁を用いて正月に飾る注連飾りを作ることをいう。農閑期の大切な仕事でもある。神社へ納めるものは、大勢で集い敬虔な気持で行う。
【例句】
大松の家と呼ぶ屋や注連作
松本たかし「松本たかし句集」