【解説】
檜扇のこと。その昔、貴人たちの冬の儀式に使われたことから、冬扇といわれた。また、夏に使っていた扇は冬には不要となることから、無用の事物の例えにもなり、「夏炉冬扇」という言葉もある。
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寒念仏(かんねんぶつ) 晩冬
【子季語】
寒行僧/七墓めぐり
【解説】
寒中に太鼓や鉦を叩いて念仏を唱えながら、市中を練り歩く修行のこと。寒行として行われている。
【例句】
暁の筑波にたつや寒念仏
其角「続虚栗」
寒念仏骨から出づる声すなり
蝶夢「草根発句集」
細道になり行く声や寒念仏
蕪村「日発句集」
替履のうしろさびしや寒念仏
白雄「白雄句集」
枯真菰(かれまこも) 三冬
【子季語】
真菰枯る
【解説】
真菰は水辺に群生し、夏に茂る。その真菰が枯れ果てた姿のこと。枯れ残った茎に波が寄せる様には寂しさがある。
寒釣(かんづり ) 晩冬
【解説】
寒中に行う釣りのこと。動きの鈍った鯉や鮒を釣ることを詠む場合が多い。
火吹竹(ひふきだけ) 三冬
【解説】
火を熾すときに使用する竹筒のこと。一端に節を残して小さな穴を開け、反対側から息を吹き込むと息が強く吹き出るように作られている。
【例句】
山寺の冬夜けうとし火吹竹
原石鼎「花影」
新海苔(しんのり) 晩冬
【子季語】
初海苔/寒海苔
【解説】
冬から、春にかけて採れる海苔のこと。荒波の襲いかかる磯で、岩海苔などを採取するのは骨の折れる作業である。採れてすぐ干した海苔は、やわらかく際立って香りがよい。
【例句】
寒海苔や五日便りの文の奥
紫暁「松のそなた」
狼(おおかみ/おほかみ) 三冬
切干(きりぼし)三冬
神農祭(しんのうまつり) 初冬
菜洗ふ(なあらう)三冬
【解説】
漬物用の菜っ葉を洗うこと。使用される葉は、白菜、高菜、野沢菜、水菜などで、各地にそれぞれの特産がある。