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季語と歳時記

きごさい歳時記

作成者アーカイブ: dvx22327

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守宮(やもり)三夏

季語と歳時記

【子季語】
屋守、壁虎
【解説】
人家やその周辺の林などに生息する爬虫類。全長五~六センチで灰褐色。夜行性で昆虫を捕食する。足の指の表面が吸盤状になっていて、これによって壁や天井、窓などをはい回ることができる。
【科学的見解】
守宮は、ヤモリ科に属する爬虫類であり、トカゲ類が昼行性に対して、ヤモリ類は夜行性であり、指裏の鱗(指下板)を使い天井や垂直面を移動できるところが大きな特徴である。指裏の鱗には、カギ状の細かい毛が密に生えていて、この毛と壁面間に生じる分子間力で身を支えている。分子間力とは、分子間にはたらく弱い引力のことであり、ファンデスワールス力とも呼ばれている。日本に生息するヤモリ類は意外と種類が多く、西日本から南西諸島を中心に十四種が分布している。一般的に広く知られている種としてはニホンヤモリが挙げられ、本種は北海道から九州までの地域において民家とその周辺で生息している。多くの人が想像するヤモリ類は、このニホンヤモリを指している。体色は基本的には灰色であるが、擬態のため黒褐色のまだら模様になる場合もある。肉食性で、外灯や民家の光に集まる昆虫類を主食にしている。産卵時期は五月から七月であり、三個程度の卵を石や木の隙間に産み付ける。ニホンヤモリ以外の種としては、中国・四国地方の瀬戸内沿岸にタワヤモリ、九州東シナ海沿岸にニシヤモリ、九州南部沿岸にヤクヤモリ、九州南部から南西諸島にミナミヤモリ、南西諸島にホオグロヤモリ等が知られている。日本に分布するほとんどのヤモリ類は鳴かないが、南西諸島に生息するホオグロヤモリは夜になるとキョッ・キョッ・キョッ・キョッ・キョッと大きな声で連続音を発する。(藤吉正明記)
【例句】
守宮啼くやヒマラヤ杉の深き燈に
渡辺水巴「水巴句集」

【井守と守宮の違い】
腹が赤い方がイモリで、全体が薄茶色のがヤモリである。イモリの腹の赤色は毒を持っている事を知らせるための警戒色である。
生息場所については、イモリはカエルと同じ両生類で水中や陸に棲む、ヤモリは爬虫類で陸に住む。

八手の花(やつでのはな)初冬

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【子季語】
花八手、天狗の羽団扇
【解説】
ウコギ科の常緑低木。暖地に自生するが、庭木としても植えられる。初冬、小さくて細かい黄白色の花を鞠状にたくさんつける。一見地味な花だが天狗の団扇のような葉ともあいまって、力強さも感じられる。
【科学的見解】
八手(ヤツデ)は、本州(茨城以南)から九州(南部)の海岸近くの林内に自生する耐陰性の常緑低木である。初冬に開花し、ハエやアブの仲間に受粉を頼っている。(藤吉正明記)
【例句】
たくましく八手は花に成にけり
尚白「孤松」

花咲いて不調法なる八手かな
三津人「発句題叢」

冬の川(ふゆのかわ、ふゆのかは)三冬

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【子季語】
冬川、冬川原、寒江、氷江
【解説】
冬はしだいに川の水が減ってゆき、いつしか流れも細くなる。草が 枯れ、川原は広くなったようにも感じられる。
【例句】
冬川や筏のすわる草の原
其角「雑談集」

冬川や木の葉は黒き岩の間
惟然「惟然坊句集」

冬川や仏の花の流れ来る
蕪村「蕪村遺稿」

冬川や芥の上の朝の霜
几董「晋明集二稿」

冬川の菜屑啄む家鴨かな
正岡子規「寒山落木」

冬川やのぼり初めたる夕芥
杉田久女「杉田久女句集」

冬めく(ふゆめく)初冬

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【解説】
町のたたずまいや山野の眺めばかりでなく、雨や風、空気なども冬らしくなること。人の何気ないしぐさなどにも冬の訪れを感じることがある。
【例句】
冬めくやうき身さみしく頬かむり
清原枴童「ホトトギス雑詠選集」

枝葉鳴るあした夕べに冬めきぬ
室積徂春「ゆく春」

冬めくやこゝろ素直に朝梳毛
石橋秀野「桜濃く」

八月(はちがつ、はちぐわつ)初秋

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【解説】
立秋を迎え、暦の上では夏から秋へと季節はかわる月。実際にはしばらく暑い日が続くが、そうしたなかにも暑さはさかりを越え、徐々に秋の気配が濃くなってゆく。
【例句】
八月の太白ひくし海の上
正岡子規「子規全集」

八月や大風南より来る
佐藤紅緑「新俳句」

八月のうぐひす幽し嶽の雲
渡辺水巴「水巴句集」

八月の雨に蕎麦咲く高地かな
杉田久女「杉田久女句集」

秋日和(あきびより)三秋

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【解説】
秋のよく晴れた一日をいう。風もなくおだやかなので外で過ごすのも気持ちよい。空気が澄んでいるため視界も広がり、風景などもはっきりと見える。
【例句】
朝東風やほのかに見ゆる秋日和
大魯「蘆陰句選」

秋日和鳥さしなんど通りけり
白雄「白雄句集」

栃の実のこぼるる秋の日和かな
斗栗「蓬路」

刈株のうしろの水や秋日和
一茶「享和句帖」

鳥海にかたまる雲や秋日和
正岡子規「季語別子規俳句集」

林中に徑幾すぢや秋日和
原石鼎「花影」

みじろぎにきしむ木椅子や秋日和
芝不器男「芝不器男句集」

山寺の天井までも秋日和
星野立子「鎌倉」

霜焼(しもやけ)晩冬

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【子季語】
霜腫、霜焼薬
【解説】
強い寒気にあって生じる軽い凍傷のこと。患部にかゆみを感じ、物にすれたり掻いたりすると、血が出ることもある。
【例句】
霜やけや武士の娘の水仕事
正岡子規「季語別子規俳句集」

霜やけの手より熬豆こぼしけり
正岡子規「季語別子規俳句集」

京も終霜やけ薬貝に盛る
石橋秀野「桜濃く」

楮蒸す(こうぞむす、かうぞむす)初冬

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【子季語】
楮刈る、楮の皮剥く、楮踏む、楮晒す、楮もむ
【解説】
手漉和紙をつくるための作業のひとつ。直径八十センチほどの大釜に楮の束を立て、その上から蒸し桶をかぶせて一、二時間蒸す。楮の皮をむきやすくするための作業である。

紅葉の賀(もみじのが、もみぢのが)晩秋

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【子季語】
秋の御遊
【解説】
紅葉の美しい頃に催す祝宴。または紅葉を観賞する宴。奈良時代に始まり「源氏物語」の「紅葉賀」には当時の華やかな御遊の様子が描かれている。

蜻蛉生る(とんぼうまる)仲夏

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【子季語】
やご、やまめ、太鼓虫、蜻蛉の子
【解説】
蜻蛉の幼虫は「やご」といわれ、水中に棲む。その期間は短いもので約二ヶ月、普通は一~二年ほどである。このやごが成虫にな ることを「蜻蛉生る」という。葦の茎や水辺の草にのぼり羽化して空中に飛び立つ。
【例句】
藺を伝ひ生るる蜻蛉に水鏡
松本たかし「火明」

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