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季語と歳時記

きごさい歳時記

作成者アーカイブ: dvx22327

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満天星の花(どうだんのはな)晩春

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【子季語】
満天星躑躅
【解説】
ツツジ科の落葉灌木。ドウダンとは灯台の意味で、分枝する形が 古い燭台に似ていたことに由来する。四月頃、若葉とともに長い 柄のある壺型の白い花を多数ぶら下げる。鈴蘭のような可憐な花 も愛されるが、秋の紅葉も実に鮮やか。

鹿火屋(かびや)三秋

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【子季語】
鹿小屋、鹿火屋守
【解説】
山の田畑を鹿や猪から守るため、火を焚いて獣がきらう臭いを燻 らせる。この火を鹿火といい、その番小屋が鹿火屋。ここで、番 人が一晩中、大声をあげたり、板や銅鑼などを打ち鳴らしたりし たという。
【例句】
鹿小屋の火にさしむくや庵の窓
丈草「続有磯海」

淋しさにまた銅鑼うつや鹿火屋守
原石鼎「花影」

椿の実(つばきのみ)初秋

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【解説】
椿は夏、翠色の艶やかな実をむすぶ。この球状の実はやがて紅を 帯び、秋には褐色となり成熟を迎える。熟すと背が三つに割れて、 硬い暗褐色の種が二、三個とびでる。この種を絞ったものが椿油 で、古くから食用や髪油として用いられてきた。
【例句】
実椿や立つるによわき蜂の針
野坡「野坡吟艸」

荻(おぎ)三秋

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【子季語】
風持草、風間草、寝覚草、浜荻、荻原
【解説】
湿地に群生するイネ科の大型多年草。薄とよく似るが、茎は見上 げるほど高く、その頂に銀白色の大きな花穂をつける。風に葉の 擦れ合う音がわびしさを誘うことから、古来より秋風とともに歌 に詠まれてきた。
【科学的見解】
荻(オギ)は、イネ科ススキ属の在来多年草であり、北海道から九州まで分布している。オギは、水辺を好むため、河川や池沼などに群生している。花期は、九月から十月である。ススキに似ているが、小花の先端の芒(のぎ)の有無で両種を区別できる。オギの小花には、のぎがない。(藤吉正明記)
【例句】
荻の穂や頭をつかむ羅生門
芭蕉「芭蕉翁発句集」

鉢に植ゑてかひなき荻のそよぎかな
来山「雀の森」

浜荻や海士の塩木の火吹竹
言水「江戸新道」

見ぬ恋や夜のあらしの荻をうつ
大江丸「俳懺悔」

月落ちて荻より起る嵐かな
紫暁「なにはの月」

荻の葉に折々さはる夜舟かな
内藤鳴雪「春夏秋冬」

沈丁花(じんちょうげ、ぢんちやうげ)三春

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【子季語】
ちやうじぐさ、瑞香、沈丁、丁字
【解説】
中国原産の常緑灌木。鈍い光沢のある卵形の葉をもち、庭や垣に 植えられる。薄紅の小さな薬玉のような花を球状につける。花は 名の示すとおり沈香と丁字の香を併せもち、その鮮やかな匂いで 春の到来を告げる。
【科学的見解】
沈丁花(ジンチョウゲ)は、中国原産と言われているが、自然分布域は明らかになっていない。日本には、すでに室町時代に渡来していた記録がある。庭先や公園などに人家近くに植栽されているのがほとんどで、自然の野山にはほどんど見られない。(藤吉正明記)
【例句】
沈丁花鉢に愛せり堺すぢ
大魯「発句題林集」

沈丁や死相あらはれ死相きえ
川端茅舎「華厳」

沈丁の香の強ければ雨やらん
松本たかし「松本たかし句集」

寒波(かんぱ)晩冬

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【子季語】
寒波来る、冬一番
【解説】
冬、シベリア方面から波の様に周期的に寒気団が来ること。気温 もぐっと下がり厳しい寒さに見舞われる。
【例句】
凛々と目覚時計寒波来
日野草城「銀」

夜店(よみせ)三夏

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【子季語】
夜見世、干見世
【解説】
神社仏閣の縁日などに、境内や参道に並ぶ食べ物や玩具などを売 る露店のこと。裸電球やアセチレンランプに灯が点りはじめると 一段と活気づく。

クロッカス 初春

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【子季語】
春咲サフラン
【解説】
アヤメ科の多年草。原産は地中海地方で、日本へは江戸時代に渡 来した。春先の花壇によく見られ、また水栽培にも向く。花色は 白、紫、黄色等で甘い芳香をもつ。
【科学的見解】
クロッカスは、アヤメ科の外来多年生植物である。小振りのかわいらしい花を咲かせるため、庭先や公園の花壇等で植栽されて楽しまれている。名前は、サフラン属(Crocus)の呼び名が使われ、この名が広く浸透しているが、和名としてハナサフランやムラサキサフラン等の名も知られている。(藤吉正明記)

金亀虫(こがねむし)三夏

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【子季語】
黄金虫、かなぶん、ぶんぶん
【解説】
鞘翅目、コガネムシ科の甲虫。色には金属光沢がある。夏の夜、羽音を鳴らして灯火を飛び回り、その音から別称としてぶんぶんと呼ばれる。仰向けにひっくり返るとなかなか起き上がれない。
【例句】
叢や長者屋敷の金亀虫
茂秋「発句題叢」

金亀虫擲つ闇の深さかな
高浜虚子「五百句」

裏富士の月夜の空を黄金虫
飯田龍太「今昔」

秋時雨(あきしぐれ)晩秋

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【解説】
秋も終わりの頃に、降ってはすぐにやむ雨のことで、どこか侘し い感じを残す。『古今集』以来用いられている。時雨は冬。
【例句】
竹売つて酒手にわびむ秋時雨
北枝「東西夜話」

秋しぐれおちくぼの君が寝顔見ん
暁台「暁台句集」

秋もはや日和しぐるる飯時分
正岡子規「子規句集」

 

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