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季語と歳時記

きごさい歳時記

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狐火(きつねび)三冬

季語と歳時記

【子季語】
狐の提灯
【解説】
冬の暗夜、山野に見える怪しい火。鬼火、燐火などの類である。狐が口から吐いているという俗説に基づく。
【例句】
狐火や髑髏に雨のたまる夜に
蕪村「蕪村句集」

狐火の燃えつくばかり枯尾花 
蕪村「蕪村句集」

狐火や風雨の芒はしりゐる 
杉田久女「杉田久女句集」

狐火の減る火ばかりとなりにけり
松本たかし「松本たかし句集」

狐火のほとほというて灯るかも
星野立子「立子句集」

植田(うえた、うゑた)仲夏

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【子季語】
早苗田、五月田
【解説】
田植を終えてまもない田。苗が動かないように田水が満々と張られ、空や周囲の風景を映している。稲の苗を植える田も植田という。
【例句】
胴亀や昨日植ゑたる田の濁
許六「韻塞」

潮急に植田は鏡より静か
川端茅舍「川端茅舍句集」

秋出水(あきでみず、あきでみづ)初秋

季語と歳時記

【子季語】
洪水
【解説】
盆過ぎの集中豪雨や台風がもたらす雨で河川の水があふれること。収穫を前にした田が台無しになることもある。
【例句】
秋出水家を榎につなぎけり
西山泊雲「ホトトギス雑詠選集」

秋の野(あきのの)三秋

季語と歳時記

【子季語】
秋郊、秋野、秋の原、野路の秋
【解説】
秋は野草の季節である。地味ではあるが数多くの花が咲き、露に濡れた草むらではいろいろな虫が鳴く。
【例句】
野路の秋我が後ろより人や来
る蕪村「題苑集」

土用波(どようなみ)晩夏

季語と歳時記

【解説】
立秋前の十八日間を夏の土用とするが、その頃の太平洋側は高波が押し寄せ手くることが多い。台風シーズンの秋も近い頃の波である。
【例句】
死にしふりして蟹あわれ土用浪
原石鼎「花影」

鳥追うて遊びし智恵子土用波
長谷川櫂「果実」

冬の泉(ふゆのいずみ、ふゆのいづみ)三冬

季語と歳時記

【子季語】
寒泉、冬泉
【解説】
冬の泉には独特の寂しさがある。又澄んだ水が湧き出ている様は夏の泉にはない、さえざえとしたものが感じられる。

逃水(にげみず、にげみづ)晩春

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【解説】
よく晴れた日の熱せられたアスファルト路面に、水溜りができたように見える蜃気楼現象。地表近くの気温が非常に高くなり、空気の上下層に密度の濃淡が生じるため、光が屈折して起こる。古来、武蔵野の逃げ水が有名で、歌にも詠まれた。「地鏡」「擬水」とも呼ばれる。 

波の花(なみのはな)晩冬

季語と歳時記

【子季語】
波の華、潮花
【解説】
岩礁に冬の高波が押し寄せ、砕け散る時にできる白い泡を花にたとえた。奥能登の海岸が有名で、大陸からの冷たく激しい季節風にもまれた黒い海に咲く白い花は美しい。

冬の波(ふゆのなみ)三冬

季語と歳時記

【子季語】
冬浪、寒濤
【解説】
冬場は西高東低の気圧配置になり大陸方面からの西風や北風が強まる。このため海や湖、沼、川など波が高く大時化となることが多い。岩に激しく砕け散る白波は、寒さとあいまって見る者を不安にかきたてる。 

寒の水(かんのみず、かんのみづ)晩冬

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【子季語】
寒水、寒九の水
【解説】
寒中の水はその冷たさ極まった様子から、神秘的な力があると信じられている。飲むと身体に良いとされ、ことに寒中九日目の水(寒九の水)は効能があるといわれている。その水で餅を搗いたり、酒を造ったり、布を晒したりする。
【例句】
寒の水をあぶる湯殿の行者かな
季吟「山の井」

見てさへや惣身にひびく寒の水
一茶「文化句帖」

汲かへていとゞ白さや寒の水
浮流「類題発句集」

焼け跡に透きとほりけり寒の水
石田波郷「雨覆」

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