寒の水(かんのみず、かんのみづ)晩冬
【子季語】
寒水、寒九の水
【解説】
寒中の水はその冷たさ極まった様子から、神秘的な力があると信じられている。飲むと身体に良いとされ、ことに寒中九日目の水(寒九の水)は効能があるといわれている。その水で餅を搗いたり、酒を造ったり、布を晒したりする。
【例句】
寒の水をあぶる湯殿の行者かな
季吟「山の井」
見てさへや惣身にひびく寒の水
一茶「文化句帖」
汲かへていとゞ白さや寒の水
浮流「類題発句集」
焼け跡に透きとほりけり寒の水
石田波郷「雨覆」