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季語と歳時記

きごさい歳時記

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余花(よか、よくわ) 初夏

季語と歳時記

【子季語】
若葉の花、青葉の花、夏桜
【関連季語】
残花
【解説】
夏になって若葉の中に咲き残る桜の花をいう。寒い地域や高い山などに見られる。立夏前の桜は残花、立夏後は余花になる。
【来歴】
『俳諧鼻紙袋』(延宝5年、1677年)に所出。
【文学での言及】
夏山の青葉まじりの遅桜はつ花よりもめづらしきかな 藤原盛房『金葉集』
【例句】
餘花もあらぬ子に教へ行神路山
太祇「太祇句選」

餘花いまだきのふの酒や豆腐汁
召波「春泥発句集」

風開く南障子や夏桜
調和「俳林不改集」

上野山餘花を尋ねて吟行す
正岡子規「子規全集」

余花の雨布団の上の鼓かな
松本たかし「松本たかし句集」

カテゴリー: 1基本季語, g植物

蝸牛(かたつむり)三夏

季語と歳時記

【子季語】
かたつぶり、ででむし、でんでんむし、まいまい
【解説】
渦巻き状の薄い殻、伸縮自在の柔らかな体。二本の角を出し、木や草をゆっくりと這う。梅雨のころによく見られる。童謡などにも唄われる。
【来歴】
『毛吹草』(正保2年、1645年)に所出。
【実証的見解】
マイマイ目陸生有肺類の巻貝の総称。渦巻状の殻を背負い、頭には二本の触角がある。その触角の長いほうの先端が目の役割をする。雌雄同体で地中に卵を産む。湿気を好み木や草に張りついて若葉などを食う。冬には冬眠する。
【例句】
かたつぶり角ふりわけよ須磨明石
芭蕉「猿蓑」

白露や角に目を持つかたつぶり
嵐雪「其便」

ころころと笹こけ落ちし蝸牛
杉風「続別座敷」

かたつぶりけさとも同じあり所
召波「春泥発句集」

夕月や大肌ぬいでかたつむり
一茶「七番日記」

親と見え子と見ゆるありかたつぶり
太祗「太祗句稿」

蝸牛いつか哀歓を子はかくす
加藤楸邨「颱風眼」

かたつむり甲斐も信濃も雨のなか
飯田龍太「山の木」

木に草に雨明るしや蝸牛
長谷川櫂「古志」

カテゴリー: 1基本季語, f動物

蟻(あり)三夏

季語と歳時記

【子季語】
山蟻、女王蟻、雄蟻、大蟻、蟻の道、蟻の列、蟻の塔、蟻塚
【解説】
夏の間、集団で食料を集める働き者の小さな虫。甘いものや昆虫の死骸などに群がる。家の中にも入り込んでくる。
【文学での言及】
イソップ物語「アリとキリギリス」
【実証的見解】
ハチ目アリ科に属する昆虫の総称である。体長は一ミリから三センチくらい。胸部と腹部の間にくびれを持つ。雌で生殖能力のある女王蟻と雄蟻、生殖能力のない雌の働き蟻とで社会生活を営む。体色は黒いものが多いが、褐色や赤色などの種類もある。繁殖行動を行う雄蟻と女王蟻は翅をもつ。地中や腐った幹に巣を作る。
【例句】
蟻の道雲の峰よりつづきけん
一茶「おらが春」

樹肌わたる蟻に早やある暮色かな
原石鼎「原石鼎全句集」

南風や生れつ失せつ蟻の城
芝不器男「芝不器男全句集」

蟻殺すわれを三人の子に見られぬ
加藤楸邨「寒雷」

大蟻の雨をはじきて黒びかり
星野立子「笹目」

山蟻や割れて真赤な桃の幹
長谷川櫂「天球」

うつくしき翅の浮かめる蟻の列
高田正子「花実」

カテゴリー: 1基本季語, f動物

まくなぎ 三夏

季語と歳時記

【子季語】
めまとひ、めまわり、めたたき、糠蚊、揺蚊
【解説】
夏、人の顔などにまつわりつく小さな羽虫。風のない日の夕暮れどきに野道や河原、林などに出てくる。人の目の中へも入り込むので「めまとい」ともいわれる。
【来歴】
『糸屑』(元禄7年、1694年)に所出。
【実証的見解】
ハエ目ヌカカ科の昆虫の総称。体長は一ミリから三ミリほどで、一部の種類の雌は、蚊と同様に人や家畜の血を吸う。蚊よりも小さく、ひとかたまりとなって飛ぶ。刺された直後に痒みや痛みはないが、あとで腫れと痒みがくる。
【例句】
蠛蠓や土塀崩れて棕櫚くらき
幸田露伴「露伴全集」

蠛蠓や多摩の山河をうごかし
川端茅舎「川端茅舎句集」

カテゴリー: 1基本季語, f動物

蚊(か)三夏

季語と歳時記

【子季語】
藪蚊、縞蚊、赤家蚊、蚊柱、蚊の唸り、蚊を打つ
【関連季語】
蚊帳、ぼうふら、春の蚊、秋の蚊、蚊遣火
【解説】
夏、人や家畜の血を吸う小さな虫。蠅同様、人に嫌われる。夜分出ることが多いが、藪蚊などは昼も出てる。蚊帳を吊ったり、蚊遣火を焚いたりして、蚊が近づくことを防ぐ。蚊柱は、蚊が交尾のために群れている状態をいう。
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
夏の夜は枕をわたる蚊のこゑのわづかにだにもいこそ寝られぬ 後京極摂政『夫木和歌抄』
『枕草子』清少納言(28段、にくきもの)、狂言『蚊相撲』
【実証的見解】
ハエ目カ科の昆虫の総称である。成虫は、細長い体型で十ミリより小さい。足は長く二枚の羽で飛翔する。雌は産卵のために人や家畜の血を吸って栄養を取るが、雄は、血を吸うことはない。水溜りなどの動かない水に卵を産み、二日ほどで孵化してぼうふらとなる。その後オニボウフラといわれるさなぎになり、卵から二週間ほどで成虫になる。マラリアや日本脳炎などいろいろな病原体を媒介する。
【例句】
わが宿は蚊の小さきを馳走なり
芭蕉「小文庫」

蚊の化やつひにあらはすタ烟  
高政「おくれ双六」

蚊や人を夜は食らへども昼見えず
調和「伊勢踊」

こころよやけふの湯あみに蚊が逃げる
来山「元の水」

群かへる蚊のかたまりややまかづら 
言水「柏崎」

うき人に蚊の口見せる腕かな
召波「春泥発句集」

蚊のこえのまつはり落つる無明かな
石田波郷「雨覆」

迂闊にも蚊の巣窟にゐるらしく
長谷川櫂「虚空」

カテゴリー: 1基本季語, f動物

蠅(はえ、はへ)三夏

季語と歳時記

【子季語】
家蝿、金蝿、銀蝿、縞蝿、青蝿、黒蝿、蝿の声
【関連季語】
春の蝿、秋の蠅、冬の蠅、蠅叩、蠅生る
【解説】
夏、食べ物などにたかる羽を持った虫。うるさくて、不潔ということで嫌われる。蠅叩きや蠅取紙などで駆除する。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
【実証的見解】
ハエ目イエバエ科、クロバエ科などの昆虫の総称。家の中の食べ物に集まる家蠅、魚の腸などに集まる縞蠅、汚物などに集まる黒蠅。他にも蒼蠅、銀蠅など種類は多い。体色は黒や青緑色。よく発達した前翅を持ち飛翔能力は昆虫類の中でも非常に高い。食べ物にたかって栄養分を接種するため、赤痢などの伝染病の媒介となることもある。蠅は汚物に卵を産みつけ、蠅の幼虫の蛆(うじ)は汚物のなかで育つ。
【例句】
うき人の旅にも習へ木曾の蠅
芭蕉「韻塞」

顔につく飯粒蠅にあたへけり
嵐雪「玄峰集」

蠅いとふ身を古郷に昼寝哉
蕪村「蕪村自筆句帳」

蠅打てつくさんとおもふこころかな
成美「成美家集」

やれ打つな蠅が手をすり足をする
一茶「梅塵八番」

庭土に皐月の蠅の親しさよ
芥川龍之介「澄江堂句集」

カテゴリー: 1基本季語, f動物

空蝉(うつせみ) 晩夏

季語と歳時記

【子季語】
蝉の殻、蝉の抜殻、蝉のもぬけ
【関連季語】
蝉、蝉生る
【解説】
蝉のぬけ殻のこと。もともと「現し身」「現せ身」で、生身の人間をさしたが、のちに、「空せ身」空しいこの身、魂のぬけ殻という反対の意味に転じた。これが、「空蝉」蝉のぬけ殻のイメージと重なった。
【来歴】
『増山の井』(寛文7年、1667年)に所出。
【文学での言及】
空蝉の殻は木ごとに留(とど)むれど魂の行くへを見ぬぞ悲しき 読人知らず『古今集』
【実証的見解】
樹皮の中で孵化した後、蝉の幼虫は地中で樹木の根から栄養分を吸って成長する。三年から十年ほど地中で過ごして蛹となり、その後地表に出て成虫となる。
【例句】
梢よりあだに落ちけり蝉のから
芭蕉「六百番発句会」

空蝉のふんばつて居て壊はれけり
前田普羅「新訂普羅句集」

うつせみをとればこぼれぬ松の膚
日野草城「花氷」

空蝉にしてやはらかく草つかむ
長谷川櫂「天球」

蝉の殻うすうすと風抜けにけり
高田正子「花実」

カテゴリー: 1基本季語, f動物

蝉(せみ) 晩夏

季語と歳時記

♪
【子季語】
初蝉、蝉時雨、朝蝉、夕蝉、夜蝉、油蝉、みんみん蝉、熊蝉、蝉捕り、深山蝉
【関連季語】
松蝉、春蝉、法師蝉、蜩、秋の蝉、空蝉、蝉生る
【解説】
夏、樹木などにへばりついてやかましく鳴声を立てる虫。多くの蝉がいっせいに鳴く騒がしさを時雨にたとえて蝉時雨という。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
石走る滝もとどろに鳴く蝉の声をし聞けば京師(みやこ)し思ほゆ 大石蓑麿『万葉集』
【実証的見解】
半翅目セミ科に分類される昆虫の総称。樹皮の中で孵化した後、幼虫は地中で三年から十年ほど過ごして蛹となり、その後地表に出て成虫となる。地表で生活する成虫期は一から三週間程度。雄の成虫は雌を呼ぶなどのため、腹腔内を共鳴させて鳴く。鳴く時期や時間、所場は蝉の種類によって異なる。本州で一番早く出る蝉は、松蝉で春蝉とも呼ばれる。六月下旬にはにいにい蝉が鳴き始める。油蝉や熊蝉が鳴くのは梅雨明けのころである。
【例句】
やがて死ぬけしきは見えず蝉の声
芭蕉「猿蓑」

閑さや岩にしみ入る蝉の声
芭蕉「奥の細道」

いでや我よきぬのきたり蝉衣
芭蕉「あつめ句」

撞鐘もひゞくやうなり蝉の声 
芭蕉「笈日記」

蝉の音をこぼす梢のあらしかな
支孝「梟日記」

耳底に蝉はまだ啼く枕かな
蓼太「蓼太句集二編」

母と住む木陰の里や夜の蝉
素郷「発句題叢」

人病むやひたと来て鳴く壁の蝉
高浜虚子「五百句」

蝉涼し絵馬の天人身を横に
松本たかし「野守」

蟬山に墓舁ぎ入るえいほうと
森澄雄「鯉素」

幾万の蝉死に絶えて風の音
長谷川櫂「虚空」

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水馬(あめんぼ)三夏

季語と歳時記

【子季語】
あめんぼう、川蜘蛛、水蜘蛛、水澄し、みづすまし
【解説】
鋼のような六本の細長い足で水面を滑る。夏、池、川、湖などあちこちの水面に見られる。
【来歴】
『枝葉集』(正徳元年、1711年)に所出。
【実証的見解】
カメムシ目アメンボ科の昆虫の総称である。体長は五ミリから三十ミリくらい。細かい毛が密生した六本の長い脚を持つ。中脚と後脚がとくに発達している。水の表面張力を利用して水上を自由に移動し、魚の死骸などの獲物を探す。成虫になると羽ができ、他の水域へも移動できるようになる。捕まえると飴のようなにおいを発するので、アメンボという名がある。
【例句】
しづまれば流るゝ脚や水馬
太祇「俳諧新選」

大井川ついつい虫が澄ましけり 
一茶「八番日記」

水馬流れんとして飛び返る
正岡子規「子規句集」

水馬底藻に深さはかられず
臼田亜浪「定本亜浪句集」

水馬(みづすまし)青天井をりんりんと
川端茅舍「川端茅舍句集」

曇日や水馬の水輪ただ消ゆる
島村元「島村元句集」

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蛍(ほたる) 仲夏

季語と歳時記

【子季語】
大蛍、初蛍、蛍火、朝の蛍、昼蛍、夕蛍、宵蛍、雨の蛍、蛍合戦、平家蛍、源氏蛍、姫蛍、草蛍、ほうたる
【関連季語】
蛍籠、蛍狩、秋の蛍
【解説】
夏の夜、水辺で冷たい光を明滅させながら集団で飛び交う昆虫。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。【文学での言及】
夕されば蛍よりけに燃ゆれども光見ねばやひとのつれなき 紀友則『古今集』
もの思へば沢の蛍もわが身よりあくがれ出づる魂かとぞ見る 和泉式部『後拾遺集』
【実証的見解】
甲虫目ホタル科の昆虫。夜になるとルシフェリンという発光物質の働きによる冷光を腹部に点滅させる。集団での求愛行動である。日本には四十種類以上のホタルが確認されているが代表的なものは国内で一番大きな源氏蛍とそれより小さな平家蛍である。独特の匂いがある。
【例句】
草の葉を落るより飛蛍哉
芭蕉「泊舟集」

己が火を木々の蛍や花の宿
芭蕉「己が光」

愚にくらく茨をつかむ蛍哉
芭蕉「東日記」

此ほたる田ごとの月にくらべみん
芭蕉「三つのかほ」

めに残るよしのをせたの螢哉 
芭蕉「真蹟詠草」

蛍火の昼は消えつゝ柱かな
芭蕉「曾良本奥の細道」

ほたる飛や家路にかへる蜆売
蕪村「夜半叟句集」

暗闇の筧をつたふ蛍かな
許六「旅館日記」

人寝て蛍飛ぶなり蚊帳の中
正岡子規「子規句集」

人殺す我かも知らず飛ぶ蛍
前田普羅「普羅句集」

山霧に蛍きりきり吹かれたり 
臼田亜浪「旅人」

瀬をあらび堰に遊べる蛍かな
原石鼎「原石鼎全句集」

蛍籠われに安心あらしめよ
石田波郷「酒中花以降」

葉先より指に梳きとる蛍かな
長谷川櫂「天球」

あつき手をもて蛍火を掬ふかな
高田正子「玩具」

草深く置けばつめたし蛍籠
高田正子「花実」

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