リレーエッセイ033 春節 飛岡光枝
春節は旧暦の正月、今年は1月23日にあたる。5年ほど前の2月、仕事で長崎に行った。仕事先の方が「ちょうど春節祭のランタンフェスティバルですから、今夜ぜひ!」と何度も繰り返す。その時は、そんなに勧めるならちょっと立ち寄るかくらいにしか考えていなかった。それよりも、長崎出身の福山雅治が伝説のコンサートを開いた稲佐山にがぜん興味があり、宿もその近くにとっていた。
夜、教えられるまま中華街に行って驚いた。天上を埋め尽くす真紅の提灯。頬染めながら歩いていると、孔子や龍などと一緒に巨大な金魚の提灯が空に揺れている。この世のものとも思えない楽しさに立ち去り難く、稲佐山の宿までの遠かったこと。
そして昨年、ある俳句結社の長崎春節句会が開かれた。宿は中華街にとり、夜遅くまで孔子廟、唐人屋敷とふらついた。夢心地で宿に帰ると、女性限定特典として足裏マッサージをしてくれるという。華奢な施術師さんの指が足裏をさすったとたん電気が走り、思わず「いたっ!」と叫んでいた。「ここは目のツボです。お疲れですね」と彼女。その後は、やさしくほぐしてくれる指に足を委ね、紅いランタンと巨大な金魚とともに夢の中へ。
亀鳴くや眼病に効く足のつぼ 光枝
(きごさい理事 写真=長崎ランタンフェステバル)
