小山正見講師「家族で楽しむ俳句」講座報告
きごさいの副代表を務める小山正見は、公立小学校を退職後、現在、江東区教育委員会学校支援課に籍を置き、江東区の小学校を中心に各地の学校へ赴き、子ども達へ俳句を教える活動をしている。休日を除くほぼ毎日、どこかの学校で俳句の授業をしているので、俳句の授業を行った数では間違いなく日本一である。
当日は、そんな小山正見講師が、学校での俳句指導の実践の様子と、家族で俳句を楽しむためのポイントをわかりやすく楽しくレクチャーした。その内容の概略をここに紹介する。
俳句の良さは、「短いこと」である。短いからこそ、どの子も取り組めて、短時間ででき、また効果てき面だという。
小山講師が行っている授業では、俳句のスタート段階は、上五下五は言葉を決めてあり、中七だけを考えさせるところから学習を始めるそうである。そうすることで俳句への抵抗感をなくして誰もが楽しめるようにする。
なるほど。好きこそものの上手なれ。俳句好きの子を育てることがやはり大切ということなのだ。
また、実物を見て作ることや、見る際の視点を子ども達に与えることも大切とのことであった。しかし実物を見せすぎると、真面目な子ほど説明的な俳句になってしまうのだという。
これは百戦錬磨の俳句授業の経験があるからこそ言える子ども達の特徴だ。確かにそういわれてみればそうだ。
子ども達の俳句によく見られる下五の「うれしいな」。これを消すいくつかの方法も教示。①「うれしいな」をNGワードにする。②「うれしいな」と作った後で、その部分を季語に置き換える。③たとえば運動会の俳句なら、初めから「運動会」を下五に据えて作る。などである。
下五を最初から限定してしまえば、「うれしいな」の入る余地はない。これは目から鱗の奥の手だと実感。
さて、では家族で俳句を楽しむにはどうしたらいいのだろうか。子どもや孫と一緒に俳句を作りながら、学校で授業している上記のような方法を時折ちりばめたりすればいいのだろうかと、話を聞きながら考えていた。
小山講師はこう断言した。
「家族で俳句を楽しむには、大人がどうやって口を出さないかが、一番大切なことです」
うーん、なるほど。家にも、ああでもないこうもないなんて言われたら確かに俳句好きにはなれないということか。
そして、最後に「俳句は世界を34バイトで表す素晴らしい文学です」と結び、講座は終了した。それはまさにアンドレ・マルローの「俳句は永遠を瞬間に閉じ込める文学である」の小山流の表現だと感じ、これからますます自分自身が俳句を知り、もっともっと俳句に親しみ、楽しみたいと強く感じた。
日本学校俳句研究会幹事長&季語と歳時記の会理事:山本新 記
