リレーエッセイ018 七夕 大木あまり
七月に入ると、商店街は、願いごとを書いた五色の短冊を吊した七夕竹を店先に立てる。駅前のロータリーに立てられた華やかな七夕竹を見るたびに、去年の七月七日に亡くなった友達のことを思いだす。今だに悲しみを引きずっているのだ。
友達のTとは、美大の受験生のとき初対面で意気投合し、すぐに仲良しに・・・・。それからずっと親交を深めてきた。結婚し、生活が一変して
もまめに連絡し合い、よく旅をした。
だが、ここ数年、互いに多忙をきわめ一年に一度くらいしか会えなかった。「私達、牽牛星と織姫星のようね」と話し合ったものだ。それなのに、年に一度どころか永遠に会えなくなろうとは・・・・。Tは愛にあふれた女性だったので一緒にいて幸せだった。せめて、彼女のためにも七夕の句を詠むときは、美しく幸せなものでありたいと思う。
最近、長谷川櫂さんの句集『鶯』の中の
七夕の空美しや出雲崎
を読んで、どきっとした。Tがいつも出雲崎に行きたい!と言っていたからである。
良寛の生誕地への見事な挨拶句であると共に、読者を旅へと誘う。美しさとスケールの大きさ。これこそ、七夕の理想的な句である。(季語歳理事 写真=七夕飾り)
